パッケージデザインは一目でその商品の特性を示す記号の役割であると共に、消費者の購買意欲を直接的接触によって高める為の広告としての役割も併せ持つ事から、商品の販売において大変重要なものとなっています。

その歴史や起源に明確なものがある訳ではありませんが、おおよそ19世紀末頃から広まり始めたものとされています。その理由は、商品の大量生産を可能とする機械工業の発達がこの時期に重なる為です。それによって類似製品間の競争が激しくなる環境が整った為に、商品そのものをアピールする機会を確保･重視する目的で発達したと考えられます。また機械での生産に耐え得る容器･包装の必要性も高まり、形状面からもパッケージデザインを重視する意向が高まった事も理由と考えられます。
時代が下るに連れて包装･容器資材の変化や印刷技術の発達もあり、パッケージデザインの在り方も大きく変化しています。色合いや印字･装飾のバリエーションも増加し、個性的で一目でその製品と解かるもの･商品種別の違いを一目で把握可能なものが増加しています。また企業や各商品毎のロゴを取り入れたものも多く、デザイン制作の段階からの拘りが強まる傾向にあります。これらの点から見易さという点を重視する為に、同系統の製品においては統一的なデザインを施して広範な陳列を確保しているように見せるといった工夫も取り入れられるようになっています。
パッケージデザインの成否は商品の売り上げにも大きく影響しており、時にその内容自体が商品以上に注目の的となって、売上増加への起爆剤となる事もあります。またロングセラー商品についてはパッケージの変遷自体が商品の歴史とリンクしている事も多く、販売戦略上で高い位置付けを為される事が基本となります。
また近年ではWeb技術の発達もあり、必ずしも商品は店頭に陳列されるものでは無くなっています。そこでコスト面や実用性を重視して、敢えてシンプルなパッケージを取り入れるといったケースも増加しており、デザインの方向性が多様化していると言えます。

uo

大阪生まれ。大学卒業後、家電メーカーに入社し経理部に配属、固定資産管理システムの構築等に従事した後、大阪のウェブ制作会社でデザイナーとして、全国展開するホテルのキャンペーンサイト、ECサイト等の構築に従事。その後、京都のSierにて国内大手物流会社のコーポレートサイトの保守・運用に従事。現在、N’s Creates エヌズクリエイツにて「IT × デザイン」で企業の問題解決にあたる。